ガンプラを組み立てる楽しさに加えて、塗装によって自分だけのカラーリングや質感を表現できるのも大きな魅力です。
しかし初心者にとって「どの塗装方法を選べばいいの?」「どんな塗料を使えば失敗しにくいの?」と悩むことも多いはず。
結論から言うと、初心者には「筆塗り+エアブラシ併用」が最も扱いやすく、表現の幅と仕上がりの美しさを両立しやすい方法です。
まずはアクリル系と水性エナメル系の塗料を揃え、基本的な下地処理と塗装手順を丁寧に行うことが、失敗を減らして制作を楽しむコツになります。
塗装方法の種類と特徴
筆塗り
長所:最低限の道具で始められる。細部や装飾ラインの強調に向く。
短所:筆ムラが出やすく、広い面積には不向き。
スプレー塗装
長所:広い面を素早く均一に塗装可能。パーツごとの塗り分けにも便利。
短所:ミストが広がるため換気・マスキングが必須。
エアブラシ
長所:滑らかな塗装が可能。グラデーションやシャドー表現に最適。
短所:導入コストが高く、コンプレッサーや塗装ブースなどの設備が必要。
ドライブラシ・セミグロス表現
長所:エッジを強調でき、金属感や使用感をリアルに表現可能。
短所:加減が難しく、やり過ぎると不自然。
初心者におすすめの塗料タイプ
水性アクリル塗料
特徴:水で薄めやすく、においが少なく扱いやすい。
代表ブランド:ガイアノーツ「アクリジョン」、タミヤ「アクリル塗料」
ポイント:塗料1:水または専用溶剤1で希釈。
水性エナメル塗料
特徴:光沢が出やすく、はみ出しの修正が簡単。ウェザリングにも最適。
代表ブランド:ガイアノーツ「エナメルライン」、タミヤ「エナメル塗料」
ポイント:乾燥が遅めなので重ね塗りは十分に時間を置く。
ラッカー塗料
特徴:速乾性が高く、ツヤのコントロールが容易。耐久性にも優れる。
代表ブランド:Mr.カラー、フィニッシャーズ「キャラクターフレッシュ」
ポイント:強い溶剤臭があるため、換気を徹底。下地との相性確認必須。
塗装に必要な道具と消耗品
- プライマー(サーフェイサー)
- マスキングテープ(複数幅)
- ペーパー(320〜1000番)
- 面相筆(細筆・中字筆)
- エアブラシセット(入門機でも可)
- 専用の希釈溶剤・洗浄液
- トップコート(艶消し/半光沢/光沢)
基本的な塗装手順
- ゲート処理・洗浄 :ニッパーとヤスリで整え、油分を落として乾燥。
- サーフェイサー塗布 :薄く吹き付け、傷や段差をチェック。必要に応じて再調整。
- 下地塗装 :筆は薄く重ね塗り、エアブラシは20〜30cm離して吹き付け。
- ディテール塗装 :面相筆で細部を塗り分け。エナメル塗料での修正もここで。
- パネルライン・ウェザリング :エナメルの黒やグレーをモールドに流し込み、拭き取りで陰影表現。
- トップコート仕上げ :艶消しや光沢を選び、最終的な質感と保護を付与。
トラブル対策とポイント
- 塗料のダマ・ザラつき:希釈不足やノズル詰まり → 定期的に清掃。
- 色ムラ:厚塗りを避け、薄く複数回に分ける。塗装間隔は10〜15分。
- 剥がれ:プライマー不足やマスキング不良 → 下地処理を丁寧に。
まとめ
初心者はまず「水性アクリル+水性エナメル」の組み合わせで、筆塗りとエアブラシを並行して体験するのがおすすめです。
基本的な塗装手順に慣れてきたら、ラッカー塗装やドライブラシにも挑戦して、自分だけの表現を楽しみましょう。