

はじめに
『機動戦士ガンダムUC』episode 5に登場したRAS-96 アンクシャ。
アッシマーの後継機として開発された可変MSであり、MS/MAの二形態を自在に切り替えられる機構が最大の特徴です。HGUC版ではこの変形ギミックを最小限の差し替えで再現し、さらにサブ・フライト・システム機能も搭載。
一目でわかる独特の航空機フォルムと、1/100クラスのビームサーベルを備えた迫力の造形が、ファンから高い評価を得ています。
本記事では、HGUC 1/144 アンクシャの各部ディテール、可動・変形ギミック、塗装難度や完成度を徹底レビューします。
主なおすすめポイント
• MS/MA形態の変形ギミックを差し替えで再現
• サブ・フライト・システムによる他MS搭載機能
• アッシマーのデザインを継承した航空機的フォルム
• 1/100クラスのビームサーベルが付属
• 大型キット並みの存在感あるプロポーション
商品概要・特徴
HGUCアンクシャは、オークランド研究所が開発したアッシマーのデータを基に再設計された地球連邦軍の可変MSです。
ジェガン系とパーツ規格を共有し、リゼルと同様のサブ・フライト・システム(SFS)機能を搭載するなど、量産運用を意識した設計思想が随所に反映されています。
アッシマー譲りの円形フォルムに加え、よりメカニカルで洗練された外観が印象的です。
発売情報・価格
• 発売日:2012年5月26日
• 定価:3,080円(税込)
• 商品番号:HGUC 141
• 販売形態:一般販売
商品仕様
• スケール:1/144
• グレード:HGUC(High Grade Universal Century)
• 成型色:ライトグリーン、ダークグリーン、ネイビーブルー、グレーなど
• 材質:PS・ABS
• ランナー数:成形品×13
• 付属品:ホイルシール、組立説明書
付属品・武装
• ビームサーベル×2(大型サイズ)
• 専用ディスプレイスタンド(MA形態用)
• 持ち手(穴あり・穴なし)左右各1
• SFS用パーツ一式(積載バー・ジョイント)
• MA形態変形用ジョイントパーツ
大型サーベルの造形や、他MSを搭載できるSFS機能はHGUCシリーズでも珍しく、プレイバリューの高さが魅力です。
可動・ギミック
上半身の可動域は優秀で、肩と頭部の干渉を解消した構造により、アッシマー系MS特有の制限を克服。
腰は360度回転し、ポージング自由度は高めです。
ただし下半身の可動はやや限定的で、股関節や足首の左右可動がほぼ固定。
立ち姿メインの展示には問題ありませんが、動きのあるポーズは難しめです。
変形は上半身と下半身を分離し、一部差し替えでMA形態へ。
最小限の工程で、スリムかつ航空機的な美しいシルエットに変化します。
パッケージ・ランナー構成

全パーツが新規造形で、頭部バイザーにはクリアパーツを採用。
A7パーツにはアンダーゲートが使用されており、切り離し時には注意が必要です。
成形色のコントラストも良好で、素組みでも十分な見栄えがあります。
モデリング・塗装ポイント
色分けはシール依存が多く、特に白や黄色部分は要塗装です。
濃いグリーンの上にホワイトシールを貼る仕様のため、塗装派モデラーにとっては腕の見せどころ。
• 本体ライトグリーン部:グリーン60%+ホワイト30%+ブルーグレー10%
• ダークグリーン部:グリーン50%+ブルー45%+ホワイト5%
合わせ目は肩部・胴体・脚部・バックパックに発生。
軽くヤスリがけで目立たなくできるレベルです。
素組み評価・人気傾向
• プロポーション・劇中再現度:非常に高評価
• 組みやすさ:年代を考慮すれば良好
• 保持力:優秀、ポロリなし
• 弱点:股関節・接地性
市場では一時期プレミア化するほど人気を集めており、再販時には即完売傾向にあります。
総評・まとめ
HGUCアンクシャは、「変形ギミック×大型MSの迫力」を高水準で両立した秀作です。
アッシマー譲りの丸みを残しつつ、より実戦的に進化したデザイン。
変形ギミックも差し替えが少なく、完成後のMA形態はまるで飛行機のような美しいフォルムに仕上がります。
ただし下半身の可動制限や色分けの甘さなど、塗装前提の箇所もあり、中級者以上のモデラー向けといえるでしょう。
それでも3,000円前後の価格でこの完成度は驚異的で、UCファンや可変機好きにはぜひ手に取ってほしい一品です。
