
はじめに
HGAC 1/144 ウイングガンダムは、2013年の「オールガンダムプロジェクト」第1弾として登場した記念すべきキットです。
小型の1/144スケールながら、KPS素材による優れた可動性と、アニメ設定に忠実なプロポーションを両立。
バード形態への変形やシールドのビームサーベル収納など、当時のHGとしては群を抜いた完成度を誇る一体です。
本記事では、キットの特徴・可動・色分け・組み立て難度まで詳しくレビューしていきます。
主なおすすめポイント
HGAC ウイングガンダムは、「オールガンダムプロジェクト(AGP)」の第1弾としてリリースされたキットです。
最大の特徴は 小型1/144サイズながら、KPS材を関節に採用することで高い可動性とプロポーションを両立した点。
さらに、
• バード形態への簡易変形
• シールドへのビームサーベル収納ギミック
• ウイングの展開・可動
など遊べる要素も充実。加えて、成形色による色分けが優秀で、素組みでもそのまま飾れるほどの完成度を持っています。
商品概要・特徴
ウイングガンダム(XXXG-01W)は、TVアニメ『新機動戦記ガンダムW』前半の主役機で、ヒイロ・ユイが搭乗する可変型ガンダムです。
ヒロイックでシャープなデザインが特徴で、本キットでも胸部インテークや特徴的なシルエットがしっかりと立体化されています。
アニメ版の再現度が非常に高く、プロポーションの良さはHGACシリーズの中でもトップクラスです。
発売情報・価格
• 発売日:2013年9月
• メーカー希望小売価格:1,870円(税込)
• キット番号:162
商品仕様
• スケール:1/144
• シリーズ:HGAC(High Grade After Colony)
• 機体全長(設定):約16m
• 素材:PS、PE、KPS
• ポリキャップ:PC-002(小型新規タイプ)
成形色
ホワイトを基調に、
• ダークブルー
• イエロー
• レッド
• グレー
• クリア(サーチアイ)
と、多色成形ランナーによりほぼ設定色を再現。
ランナー構成
• A1・A2:白ランナー(外装・ウイング・シールド)
• B:ブルー
• C:レッド
• D1:イエロー
• D2:クリアパーツ(1パーツ)
• E:グレー(関節・武器)
• SB-13:ビームサーベル刃
• PC-002:ポリキャップ
非常にカラフルな構成ながら、組みやすくバランスの良いランナーになっています。
付属品
• バスターライフル(モナカ構造)
• シールド(ビームサーベル収納ギミック)
• ビームサーベル刃 ×2
• ビームサーベル柄 ×1
• バード形態用差し替えパーツ
• ホイルシール
• 組立説明書
可動ギミック
関節構造
KPS素材のおかげで、1/144ながら優秀な可動を実現。
• 頭部:ダブルボールジョイントで深く俯ける
• 肩:大きく上がり、スラスターも可動
• 肘:二重関節で約180度曲がる
• 腰:360度回転可能
• 股間・脚部:開脚・接地性が高い
• 足首:変形機構のおかげで可動域が広い
ウイング
• 上下左右に大きくスイング
• 展開・収納可能
• 飛翔ポーズが映える構造
シールド
• 中央で折りたためる
• 内部にビームサーベル収納
• グリップ部分も可動
バード形態への変形
一部差し替えによる簡易変形方式。破綻なく綺麗にまとまっています。
パッケージ

• 標準HGサイズのコンパクト箱
• MS形態とバード形態のフルカラー印刷
• AGP開始の告知チラシ入り
• 説明書はページ数少なめの手頃なボリューム
モデリング解説
色分け
素組みでほぼ完成し、塗装が必要なポイントは少なめ。
塗装が必要な主な箇所:
• ツインアイ(メタグリーン)
• 頭部バルカン
• 胸部マシンキャノン内部
• 肩装甲の丸モールド内部
• 脚部スネダクト内部
• つま先・甲部のグレー塗装
合わせ目
• 頭部:側面に合わせ目
• 肩:スラスター周りに発生
• バスターライフル中央
他は段落ち処理で目立たないよう工夫されています。
スミ入れ・仕上げ
胸部や脚部のダクトを中心にスミ入れすると情報量がアップ。
最後にトップコート(つや消し)で質感が大幅に向上します。
組立時間
約2時間30分。初心者でも無理なく組めるほど作りやすい構造です。
モデルとしての評価
プロポーション ★★★★★
可動性 ★★★★★
色分け ★★★★☆
組み立てやすさ ★★★★★
ギミック ★★★★★
小型ながら可動・色分け・変形の全てが高水準。素立ちも非常に様になります。
人気・比較
• 同シリーズのウイングガンダムゼロの方が人気の傾向がありますが、本機も安定した支持を獲得
• 店頭流通も比較的安定しており、入手しやすい
• W系HGの中でも完成度の高さから高評価が多い
注意点
• ウイング先端の安全フラッグは処理推奨
• 肘関節は初期HGACフォーマットでやや簡素
• バスターライフルにトリガーが無い
• 手首は武器持ち手のみ(平手無し)
結論・総評
HGAC ウイングガンダムは、2013年当時のHGフォーマットを大幅に進化させた名作キットです。
KPS関節により可動性が飛躍的に向上し、変形やギミックも豊富。それでいて組みやすく、価格帯を超える完成度を実現しています。
総合評価:★★★★★(星5つ)
素組みで十分な完成度を持ち、軽くスミ入れ+トップコートでさらに映えるキット。
ガンダムWファンはもちろん、HGの入門としても、また手軽に高品質なガンプラを楽しみたい人にも強くおすすめできる一体です。

