
はじめに
HGUCシリーズの中でも、設定ファンから長年待ち望まれていたキットのひとつが「HGUC 1/144 MSZ-008 ZII(ゼッツー)」です。
本記事では、MSV初のガンプラ化という特別な立ち位置を持つZIIについて、商品仕様・可動・変形ギミック・評価点・注意点までを網羅的に整理し、購入前に知っておきたい情報を徹底的に解説していきます。
商品概要・特徴
バンダイの「HGUC 1/144 ZII」は、『機動戦士Zガンダム MSV(Ζ-MSV)』に登場するモビルスーツ「MSZ-008 ZII」をHGUC規格で立体化したプラモデルです。
2014年9月に発売され、アニメ未登場のMSV機体としては初のHGUC化という点で、当時から大きな注目を集めました。
ZIIは、Zガンダムの発展型可変機としてエゥーゴとアナハイム・エレクトロニクス社が共同開発した機体です。先行して開発されていたメタスの可変機構を流用し、Zガンダムの複雑な変形構造を大幅に簡略化することで、生産性と操縦性の向上を図ったという設定を持ちます。
開発自体はエゥーゴの財政事情により中断されましたが、その設計思想とデータは後の「リゼル」へと引き継がれました。本キットは、Z系可変機の系譜を語る上で欠かせない存在と言えるでしょう。
発売情報・価格
• 発売日:2014年9月24日
• 定価:2,860円(税込)
• 市場価格:約2,640円~6,800円前後
• 対象年齢:8歳以上
発売後も定期的に再販されており、MSV系キットとしては比較的安定した流通状況を維持しています。中古・買取価格も定価に近く、需要の高さがうかがえます。
商品仕様
基本スペック
• スケール:1/144
• 成形品:12ランナー
• ホイルシール:1枚
• 組立説明書:1冊
• 材質:PS、ABS、一部KPS
• ポリキャップ:PC-001A
成形色構成
• ブルー(機体メインカラー)
• ライトグレー(頭部・腹部・脚部など)
• レッド(頭部・腰部・腕部)
• イエロー(頭部・胸部)
• ダークグレー(内部フレーム・関節)
• グレー(武装類)
素組み状態でも配色バランスが良く、Z系らしい落ち着いた雰囲気をしっかり再現しています。
付属品・武装
• メガ・ビーム・ライフル:主兵装、新規造形
• メガ・ビーム・ライフル用グリップ:ウェイブライダー形態用
• ビーム・ライフル:新規造形
• クレイ・バズーカ:左右非対称で各1本
• ビーム・サーベル刃 ×2
• ビーム・サーベル柄 ×2
• 武器持ち手:左右
• ウェイブライダー用基部パーツ:差し替え変形用
• スタンド接続パーツ:アクションベース2対応
特筆すべき点は、主要武装3種がすべて新規造形であること。MSV機体ながら武装面の物足りなさは一切ありません。
可動ギミック
ZIIは可変機構を意識した設計のため、最新HGと比べると可動域は控えめですが、実用性は十分です。
可動の特徴
• 首:前後可動は良好、左右はやや制限あり
• 肩:前後・上下スイング対応
• 肘:90度以上曲がる単軸構造
• 股関節:前後スイング+回転可能
• 膝:二重関節で深く曲がる
• 足首:前後スイング+ボールジョイント
ゼータ系伝統の立て膝ポーズが美しく決まる一方、腿上げや前方開脚はアーマー干渉により制限されます。
パッケージ・ランナー構成

全12ランナー構成で、HGUCとしては標準的なボリュームです。
合わせ目は段落ちモールド処理されている箇所が多く、処理の手間は最小限に抑えられています。
モデリング解説・塗装要素
素組み完成度
色分けは非常に優秀で、ホイルシール併用で十分な完成度を確保できます。
部分塗装推奨箇所
• 各部ダクト内部(グレー、イエロー)
• スラスターユニット内部
軽い部分塗装を加えるだけでも、完成度が大きく向上します。
ウェイブライダー形態・変形ギミック
ZII最大の特徴は、差し替え式による安定した変形機構です。
MS形態の一部パーツを専用基部に組み替えることで、スマートで攻撃的なウェイブライダー形態が完成します。
変形後のシルエットはメタスやリゼルに近く、Z系可変機の進化過程を視覚的に理解できる点も魅力です。
評価・注意点
高評価ポイント
• MSV初HGUC化という希少性
• Zとメタスを融合した独自デザイン
• ウェイブライダー形態の完成度
• 武装の充実
• リゼルへ繋がる設定的価値
注意点
• ポリキャップ関節がやや緩め
• 武装が長く干渉しやすい
• 腰アーマーが外れやすい
• スタンドはアクションベース2専用
総評
HGUC ZIIは、設定ファンの期待に正面から応えた良キットです。
派手さはないものの、Zガンダム系可変機の設計思想を理解する上で非常に価値の高い一体と言えるでしょう。

