
はじめに
「MG 1/100 V2ガンダム Ver.Ka」は、複雑な変形構造とスタイリッシュなプロポーションを両立した、ガンプラ史に残る名作キットです。
本記事では、設計思想からギミック、付属品、可動性、塗装難度に至るまで徹底的に分析し、購入を検討している方・製作を楽しみたい方の双方に役立つ詳細レビューをまとめました。
V2ガンダム Ver.Kaの魅力を、専門的な情報を交えながら深く解説していきます。
主なおすすめポイント
「MG 1/100 V2ガンダム Ver.Ka」は、2015年12月26日に発売された、MGカテゴリーの中でも特に高い技術力が注ぎ込まれた変形・合体機構搭載キットです。
MG商品化希望ランキング1位を獲得した期待に応えるべく、カトキハジメ氏による精密デザインと複雑な機構を両立。
素組みでも完成度が高く、Ver.Kaシリーズらしい密度のあるディテールと洗練されたシルエットが魅力です。
革新的な変形機構
V2最大の特徴である「複雑な変形ギミック」をMGスケールで破綻なく再現。
胸部の大きさを抑えつつ象徴的な“V字シルエット”を成立させるため、「MG νガンダム Ver.Ka」でも採用された装甲展開技術が応用されています。
MS形態でもプロポーションが崩れず、変形ガンプラの弱点を克服した秀逸な設計です。
素組みで映える完成度
成型色の色分け・細かなパーツ分割により、水転写デカールなしでも十分な完成度を実現。
前腕や脚部の赤リングだけはシールとなりますが、全体的には「素組みクオリティの高さ」が際立ちます。
充実の付属ギミック
2基のコアファイターを搭載し、トップ・ボトムファイターの同時ディスプレイが可能。
頭部は精密射撃デバイス装着状態と通常状態の選択式で、ビームライフルは複数のギミックを持つ豪華仕様。
Ver.Kaらしい豊富なオプションも魅力です。
商品概要・特徴
基本コンセプト
『機動戦士Vガンダム』の後継機・V2ガンダムを、Ver.Ka仕様で立体化。
複雑な変形構造を“可動再現”と“デザイン美”の両立で攻略し、MG化が難しいと言われたV2の立体化に成功しています。
主な特徴まとめ
• コアファイターの折り畳み機構を精密再現
• トップリム・ボトムリムが自然に変形
• 成型色による色分けを最大化
• ミノフスキードライブは開閉ギミック搭載
• 細かなダクト類はほぼ別パーツ化
発売情報・価格
• 発売日:2015年12月26日
• 定価:5,390円(税込)
• 販売形態:一般販売
• 品番:2316361
後続として、2018年にプレバン限定で「V2アサルトバスター Ver.Ka」も登場。ゴールドメッキの改修や成型色変更により、より豪華な仕様となっています。
商品仕様
スペック
• スケール:1/100
• 材質:PS・ABS・PE・PET
• 完成サイズ:約170mm
• 組立時間:5〜6時間
• 難易度:中程度(変形ゆえの注意が必要)
素材ごとの特性
• ABS:変形部を中心に使用、精度が高いが破損注意
• PS:外装パーツ
• PE:ポリキャップ
• PET:ビームシールド用クリアパーツ
ABSが多いので、組み立て時の力加減には細心の注意を。
ランナー構成
推定20〜22枚のランナー構成で、細かいパーツが多め。
アサルトバスター版ではアンダーゲート化され、より高級感のある仕様に。
付属品一覧
• ビームライフル:フォアグリップ回転、ランチャー開閉、センサー展開
• ビームシールド:PET製、薄型・ホログラム加工
• ビームサーベル:通常2本、扇状1本
• 手首パーツ:握り・平手・武器持ち・ダミー手
• コアファイタージョイント:アクションベース1対応
• パイロットフィギュア:ウッソ&シャクティ
• 水転写デカール:Ver.Ka仕様、212番まで付番
• ホイルシール:センサー類、赤リング
オプションとして販売された「光の翼エフェクト」も高い人気を誇ります。
可動ギミック
変形合体の特徴
手首以外は“ほぼ完全可動”で変形を実現。
コアファイターの折り畳み・胸部収納などは非常に精密で、組み立て後のクリアランス調整が必要なほどの緻密さです。
MS形態の可動性
• 首:良好 引き出し機構あり
• 肩:限定的 変形機構の都合で制限
• 腰:ほぼ固定 最大の弱点
• 股関節:狭め 開脚が苦手
• 肘:180度級 C字ジョイントの外れ注意
• 膝:良好 リアアーマー干渉あり
• 足首:やや狭め 接地性が低い
「デザイン100点・可動50点」と評されるように、プロポーションは極めて優秀ですが可動は控えめです。
パッケージ
パッケージデザイン

カトキハジメ氏描き下ろしのイラストが全面に配置されたVer.Ka定番スタイル。サイズはコンパクトで収納性も良好。
内容物
• 説明書(フルカラー、インタビュー付き)
• ランナー20〜25枚
• デカール、ホイルシール
• スタンドジョイント
余剰パーツはアサルトバスター装備想定のものが少量含まれます。
モデリング解説
色分け
多色構成で素組みでも見栄えがするよう設計されています。
パーツ分割で色分けされている箇所
• 全身ダクト類
• 腹部丸モールド
• 肩・腕・脚のディテール
• サーベル発生器
シール対応箇所
• 前腕・脚の赤リング
• サイドアーマーリング
• 頭部・頬のセンサー類
水転写デカールを貼ることで、Ver.Kaらしい情報量溢れる仕上がりになります。
まとめ:変形ガンプラの歴史に残る名作
MG V2ガンダム Ver.Kaは、
「変形ギミック × Ver.Kaデザイン × 素組み映え」
という三拍子が揃った傑作です。
可動面の弱さはあるものの、変形機構の完成度やシルエットの美しさはMGでもトップクラス。
V2好きはもちろん、変形ガンプラに興味のあるビルダーにも強くおすすめできるモデルとなっています。

