

はじめに
ガンプラ「MG 1/100 RB-79K ボール 第08MS小隊版」は、2005年に発売されたマスターグレードキットです。
『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』の冒頭でシロー・アマダが搭乗した機体を忠実に再現し、オレンジ色の成形色や専用装備が大きな特徴となっています。
一見すると脇役的な存在のボールですが、本キットはMGならではの重層構造フレームや多素材の採用により、主役機に匹敵する完成度を誇ります。
今回は、その魅力や特徴、組み立て時の注意点まで徹底的にレビューしていきます。
主なおすすめポイント
MG 1/100 RB-79K ボール(第08MS小隊版)の最大の魅力は、脇役機体でありながら マスターグレードならではの精密さとディテール表現 を実現している点にあります。特に注目すべきポイントは以下の通りです:
『二連装マシンキャノンの精密再現』
先端部をスライド成形で開口し、肉薄な仕上がりを追求
『マルチマテリアルの採用』
金属シャフト、軟質パーツ、リード線、AFX(軟質素材)など多素材を採用
『重層構造の内部フレーム』
完成後には隠れる部分にまで緻密なモールドを配置
『第08MS小隊仕様の専用装備』
ヘッドライト、ウインチ、アンカーなど劇中仕様を忠実に再現
商品概要
• 型式:RB-79K ボール(第08MS小隊版)
• 登場作品:機動戦士ガンダム 第08MS小隊
• デザイン監修:なし(第08MS小隊オリジナル仕様)
本キットは『第08MS小隊』第1話でシロー・アマダが搭乗したボールK型を再現。
通常版とは異なるオレンジの成形色 と重装備仕様が大きな特徴です。
さらにアームユニットには前後スライドギミック も搭載されています。
発売情報
• 発売日:2005年5月下旬
• 当初希望小売価格:2,640円(税込)
• 現在の希望小売価格:3,300円(税込) ※価格改定後
• 販売方法:一般販売
• 最新再販予定:2025年10月
商品仕様
• スケール:1/100
• シリーズ:マスターグレード(MG)
• 成型色:オレンジ(本体)、ライトグレー(フレーム)、クリア(センサー)
• 材質:PS樹脂、ABS樹脂、PVC、合成ゴム、金属シャフト
• ランナー数:約6枚(MGとしては少なめ)
付属品
• 武装:二連装マシンキャノン、180mm低反動キャノン
• 専用装備:ヘッドライト、ウインチ(収納・展開・発射)、アンカー(発射・展開)
• フィギュア:1/100パイロット×1、作業員×2
• 台座:専用ディスプレイベース
• デカール:マーキングシール、ドライデカール
可動ギミック
• アームユニット:前後スライド機構
• 作業アーム:4箇所の関節可動
• マニピュレーター:上下可動
• キャノン砲:上下・左右に可動
• センサー部:クリアパーツで透明感を演出
パッケージ・ランナー構成

MGとしては比較的コンパクトなランナー構成。
• 内部フレーム:ABS樹脂製、重層構造
• 外装パーツ:オレンジ成形色(PS樹脂)
• 武装パーツ:グレー成形色
• 特殊素材:金属シャフト、ゴム、リード線、AFX素材
モデリング解説
色分け
成形色でほぼ再現済み、部分塗装は最小限でOK
合わせ目処理
• アーム部に目立つ合わせ目あり(ABS樹脂のため処理は困難)
• キャノン砲は合わせ目を隠すパーツ構成
• アーム先端部は挟み込み式の合わせ目あり
塗装の推奨例
• 本体オレンジ:オレンジ+クリアイエロー+ホワイト
• フレーム部:ファントムグレー
• メタリック部:スターブライトシルバー、GXメタルブラックなど
評価と作りやすさ
• 素組み評価:
ディテール精密、さすがMGと評される完成度
• 組み立てやすさ:
パーツ数は少なく組みやすいが、ABSの扱いは要注意
• 可動性:
関節が渋めで、組み立て時に力を要する
人気・プレミア状況
• 中古市場ではすでに プレミア価格化
• 原料高騰により、再販時は価格上昇が必至
• MGボール初心者にもおすすめできる一方で、入手性が課題となることも
総評
MG 1/100 RB-79K ボール(第08MS小隊版)は、脇役機体にここまで注力するのかと驚かされる逸品です。
内部フレームの重層構造や多素材パーツの採用は、当時の価格帯では破格の内容でした。
ABS樹脂特有の扱いづらさや可動部の渋さといった難点はあるものの、それを上回る Ver.Ka級のディテール感 と 第08MS小隊らしい重厚さ を味わえる名キットです。
脇役機体を愛するモデラーには特におすすめで、MGボールのバリエーション(Ver.Ka版、第08MS小隊版、シャークマウス版)を揃えて 小隊編成ディスプレイ を楽しむのも一興でしょう。
