
はじめに
『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』に登場する「ガンダム・キマリストルーパー」を、HGIBO 1/144スケールで立体化した「HG 1/144 ガンダムキマリストルーパー」。
本キット最大の特徴は、通常の二脚MS形態から脚部を展開し、四脚型の「トルーパー形態」へ変形できることです。さらに、大型のデストロイヤー・ランスやサイドスカートから展開するサブアームなど、キマリス系ならではの重装騎兵を思わせるギミックも充実しています。
2016年発売のHGキットということで、近年のHGと比較すると一部に合わせ目や肉抜き、シールによる色分けがあります。しかし、ガンダム・フレーム2による良好な可動性能と大胆な変形ギミックによって、現在でも十分に楽しめるキットです。
今回は、HGIBO「ガンダムキマリストルーパー」の商品概要から付属品、可動、変形、色分け、合わせ目、改造ポイント、素組みでの完成度まで詳しく紹介します。
主なおすすめポイント
HGIBO「ガンダムキマリストルーパー」は、通常の二脚MS形態と四脚型のトルーパー形態を、差し替えなしで再現できる点が最大の特徴です。
キマリス系らしい騎士・重装騎兵を思わせるデザインに加え、大型のデストロイヤー・ランスやサブアームによって、迫力のあるポージングを楽しめます。
主なおすすめポイントは以下のとおりです。
- キマリス系らしい騎士・重装騎兵モチーフのデザイン。
- 通常形態から四脚のトルーパー形態へ変形可能。
- 基本的に差し替えなしで変形ギミックを再現。
- 大型のデストロイヤー・ランスが付属。
- サイドスカートが展開し、サブアームとして機能。
- シールド裏にキマリスサーベルを収納可能。
- ガンダム・フレーム2による広い可動範囲。
- クリアー台座が付属し、浮遊・突撃ポーズを飾りやすい。
- HGガンダム・キマリスとフレームを共有。
- 外装の大部分が新規造形で、通常のキマリスとは大きく異なる。
- 他のHGIBOシリーズとのカスタマイズやパーツ交換にも活用しやすい。
特に「変形」「大型武装」「可動」の3点を重視する人にとって、遊びごたえのあるキットです。
商品概要・機体設定
商品概要
- 商品名:HG 1/144 ガンダムキマリストルーパー
- シリーズ:HGIBO/HG 鉄血のオルフェンズ
- 作品:機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ
- 型式番号:ASW-G-66
- パイロット:ガエリオ・ボードウィン
- スケール:1/144
- 発売日:2016年3月12日
- 価格:1,540 円(税10%込)
機体の特徴
ガンダム・キマリスを地上戦向けに換装した決戦仕様で、通常のキマリスとは異なる大型リアスカートと、サイドスカートに装備されたサブアームが大きな特徴です。
地上では脚部を展開し、ホバー走行を行う四脚型のトルーパー形態へ変形。大型のリアスカートや脚部が展開されることで、通常形態とは大きく異なるシルエットになります。
全体的には、騎士や重装騎兵、さらに機械馬を思わせるデザインにまとめられています。
キットはHGガンダム・キマリスとガンダム・フレーム部分を共有していますが、頭部、胸部、腰部、脚部、リアスカート、武装などは大きく変更されています。
そのため、単純な装備変更版というよりも、共通フレームを活用して別機体に近い外観へ仕上げられた派生キットといえるでしょう。
商品仕様
基本仕様
- スケール:1/144
- 設定上の機体全高:約19.3m
- 完成時サイズ:約13cm前後
- 成型色:白系、紫、淡い青、濃紺、グレー、黒系など
- フレーム:ガンダム・フレーム2
- ポリキャップ:PC-002
- 材質:主にPS、関節などにPE系ポリキャップ
- 変形:脚部展開によるトルーパー形態
- 台座:クリアー簡易台座付き
- シール:ホイルシール付属
- 対象年齢:8歳以上相当
成型色は白系をベースに紫、淡いブルー、濃紺、グレーなどを組み合わせた構成です。
全体的な配色は比較的シンプルで、HGとしては成型色による色分けも良好。素組みでもキマリストルーパーらしいカラーリングを楽しめます。
ランナー構成
ランナー構成は、おおむね以下のような内容です。
- Aランナー:ガンダム・フレーム系パーツ、一部共通パーツ。
- Bランナー:白系外装。
- Cランナー:紫・青系外装、リアスカートなど。
- Dランナー:武装・一部外装。
- PCランナー:PC-002ポリキャップ。
- クリアー系パーツ:台座など。
- ホイルシール:細部の色補完用。
商品全体としては、ガンダム・フレーム系ランナー、外装ランナー、武装ランナー、ポリキャップ、シール、台座という構成になっています。
付属品
- デストロイヤー・ランス:主兵装となる大型槍
- キマリスシールド:前腕に固定可能
- キマリスサーベル:シールド裏に収納可能
- 右手・突き用持ち手:ランスを前方へ突き出すポーズ向け
- 通常持ち手:ランスやサーベル保持用
- クリアー簡易台座:空中姿勢や突撃ポーズ用
- ホイルシール:頭部・胸部・腰部・リアスカート・シールドなどの色補完
- 余剰パーツ:共通フレーム由来の一部パーツ
デストロイヤー・ランス
本キットの主役ともいえる大型武装がデストロイヤー・ランスです。
大型の槍型武器で、先端付近には140mm機銃や姿勢制御用スラスターなどを内蔵した複合武器として設定されています。
グリップには保持用のダボが設けられており、手のひら側に固定できるため、一般的なHGの大型武器と比較して保持力は良好です。
ただし、武器そのものが長く重量もあるため、片手で水平に構えた場合は時間の経過とともに手首や肩が下がることがあります。
キマリスシールド
キマリスシールドは前腕のジョイントと手持ちグリップの両方を利用して固定できます。
固定力が高く、ポージング中にも外れにくいのが特徴です。
また、シールド内部にはキマリスサーベルを収納できます。三角形のマーキング部分などはシールによる色補完となっています。
キマリスサーベル
キマリスサーベルは比較的シンプルな構成ですが、シールド内部に収納できるため、収納状態と使用状態を再現できます。
さらに、サイドスカートから展開するサブアームに持たせることも可能です。
可動ギミック
通常形態の可動
ガンダム・フレーム構造を採用しているため、2016年当時のHGとしては良好な可動性能を持っています。
主な可動ポイントは以下のとおりです。
- 頭部:上下・左右に可動。
- 首:前後方向にもある程度可動。
- 肩:ボールジョイント式。
- 肩基部:引き出し構造により腕を上げやすい。
- 肘:大きく曲げられる。
- 腰:大きく回転可能。
- 胸部:前後にスイング。
- 股関節:前後・左右に広く可動。
- 膝:深く曲げられる。
- 足首:前後・左右に可動。
- つま先:独立して可動。
- 各種アーマー:ポーズに合わせて可動。
特に腰アーマーが柔軟に動くため、脚を大きく開いたポーズや、デストロイヤー・ランスを構えた突撃姿勢を作りやすい構造です。
サブアーム
キマリストルーパーを象徴するギミックの一つが、サイドスカートから展開するサブアームです。
- サイドスカート基部が可動。
- 内部からアームを展開可能。
- 先端部分で武装を保持可能。
- デストロイヤー・ランスの補助保持に使用可能。
- サーベルなどを持たせることも可能。
大型ランスをサブアームで支えることで、キマリストルーパーらしい特徴的なポーズを再現できます。
一方、サブアームの裏側には肉抜きがあるため、ディテールアップを行う場合は処理しておきたいポイントです。
トルーパー形態への変形
トルーパー形態への変形は、基本的に差し替えなしで再現できます。
大まかな変形手順は以下のとおりです。
- リアスカートを持ち上げる。
- 尾部を展開する。
- バックパックのバーニア角度を変更する。
- 足首を折りたたむ。
- つま先を伸ばす。
- 脛の装甲を展開する。
- 脛内部から前脚部分を引き出す。
- 脚部を四脚型に整える。
脚部を展開することで、通常の二脚MSから四脚型へ大きくシルエットが変化します。
完全に独立した4本脚になるわけではありませんが、HGサイズでトルーパー形態を成立させるための変形ギミックとして十分なインパクトがあります。
パッケージ

パッケージ
パッケージでは、雪原や寒冷地を思わせる背景を舞台に、ガンダムキマリストルーパーがデストロイヤー・ランスとシールドを構えた姿が描かれています。
大型のリアスカート、長大なランス、騎士を思わせる外観が強調されており、キマリストルーパーの特徴が分かりやすいパッケージです。
商品名は「HG 1/144 ガンダムキマリストルーパー」と表記され、HGIBOシリーズ共通のデザインが採用されています。
モデリング解説
成型色による色分け
素組みでの色分けは、HGIBO初期の商品としては良好です。
主な成型色による色分けは以下のとおりです。
- 白系の胸部・肩部・脚部外装。
- 紫系の脚部・腰部・リアスカート。
- 淡い青系または青紫系の装甲。
- グレー系のガンダム・フレーム。
- 濃紺系のデストロイヤー・ランス。
- シールド本体の基本色。
- サーベル本体。
- 一部のバーニア・内部メカ。
シールで補う部分
一方、細かな色分けにはホイルシールを使用します。
主な箇所は以下のとおりです。
- ツインアイ。
- 胸部・腰部の細かなダクト。
- 前腕の細部。
- リアスカート表面の一部。
- シールドの三角マーク。
- 装甲の細いライン。
- 一部バーニアやノズル内部。
シールの量は比較的少なく、すべて貼らなくても全体のカラーリングは成立します。
ただし、頭部のツインアイやリアスカート、胸部・腰部のダクトなどは、シールを貼ることで完成度がさらに高まります。
合わせ目が出やすい箇所
HGの初期~中期設計ということもあり、合わせ目は標準的に存在します。
主な箇所は以下のとおりです。
- 頭部後頭部。
- 前腕の側面。
- 脚部装甲の後側・裏側。
- デストロイヤー・ランス本体。
- 一部の武装パーツ。
- バックパックや台座の一部。
- サブアーム裏側のパーツ境界。
特に前腕やランスは角度によって合わせ目が目立ちやすい部分です。
ランスはモナカ割りに近い構成のため、合わせ目を消す場合は接着・表面処理・塗装などを含めた作業が必要になります。
肉抜き穴
肉抜きは主に以下の部分で確認できます。
- サブアームの裏側。
- 足裏。
- かかと周辺。
- 一部の装甲裏。
- バックパック内部。
- 台座の一部。
通常の立ち姿では目立ちにくい部分が多いものの、トルーパー形態やアクションベース上で下から見上げるディスプレイでは目立ちやすくなります。
塗装すると効果的な箇所
全塗装を行わなくても十分成立するキットですが、部分塗装を加えることで情報量を増やせます。
おすすめは以下の部分です。
- 頭部ツインアイ周辺。
- 胸部・腰部ダクト。
- 前腕の細かなモールド。
- リアスカート裏側。
- シールドの三角モールド。
- デストロイヤー・ランスの機銃・スラスター。
- 足首周辺のバーニア。
- ガンダム・フレームのシリンダーや動力パイプ。
- 武器の刃・先端部分。
- 足裏のディテール。
- サブアーム裏面。
おすすめの仕上げ方
初心者であれば、以下の工程だけでもかなり見栄えを向上させられます。
- ゲート処理。
- ツインアイやダクトにシールを貼る。
- バーニアなどを部分塗装。
- グレーや黒でスミ入れ。
- つや消しトップコート。
- 必要に応じてランスや前腕の合わせ目を処理。
白系外装は薄いグレー系でスミ入れすると、モールドが自然に引き立ちます。
紫系外装は濃い紫や黒を使いすぎると全体が重く見えるため、薄めのグレー系を使用するとまとめやすいでしょう。
改造・加工例
初心者向け
- 安全フラッグを整形して頭部ブレードをシャープ化。
- 足裏やサブアーム裏の肉抜きをパテで埋める。
- ランスの合わせ目を簡易処理。
- メタリックグレーでフレームを塗装。
- リアスカートのスラスターを塗り分け。
- 市販の水転写デカールでギャラルホルン系マーキングを追加。
中級者向け
- 前腕を後ハメ加工。
- 脚部装甲の合わせ目を段落ちモールド化。
- サブアーム先端に回転軸を追加。
- ランスの機銃・スラスターを開口。
- バーニア内部にメタルパーツを追加。
- トルーパー形態の前脚に肉抜き埋めとディテールを追加。
- 股関節や手首を補強し、大型ランスの保持力を向上。
モデルとしての評価
素組み評価
造形
造形面の評価は高めです。
- 通常のキマリスとは異なる大型リアスカートを再現。
- 専用形状の頭部を再現。
- 細かなモールドが多く、1/144スケールでも情報量がある。
- 重装騎兵らしいシルエットが明確。
- トルーパー形態にすると通常形態とは大きく印象が変わる。
特に、四脚形態へ変形した際のシルエットの変化は、本キットならではの魅力です。
可動
HGIBOのガンダム・フレームを活かした広い可動範囲が長所です。
肩、腰、股関節、足首などがよく動くため、デストロイヤー・ランスの両手持ちや突撃ポーズなどを作りやすい構成になっています。
一方、膝の曲がる位置がやや独特で、立ち膝などのポーズは安定しにくい場合があります。
また、可動部が柔軟な反面、長期間動かしていると肩・手首・股関節などが緩くなる可能性があります。
武装保持
デストロイヤー・ランスには固定用ダボがあり、手首から抜け落ちにくい構造です。
シールドも前腕に固定できるため、武装保持力は良好です。
ただし、ランスを片手で水平に構えると重量によって肩や手首が下がることがあります。
長期間ディスプレイする場合は、両手持ちにしたり、サブアームでランスを補助したりすると安定します。
変形ギミック
トルーパー形態は、本キット最大の評価ポイントです。
- 基本的に差し替えなしで変形可能。
- 変形手順が複雑すぎない。
- 脚部展開によるシルエット変化が大きい。
- ホバー走行・突撃ポーズに向いている。
- 変形後もパーツが外れにくい。
四脚形態は完全に独立した4本脚ではなく、通常脚の脛部から前脚を展開する構造です。
そのため、設定画をそのまま縮小したような完全再現というよりも、HGサイズで変形ギミックを成立させた立体化として見るとよいでしょう。
人気・評価傾向
レビューでは、通常のキマリスとの差別化、四脚変形、サブアーム、大型ランスの保持力などが好意的に評価されています。
特に、単純な色替えや装備変更ではなく、外装とギミックが大きく変更された派生機として楽しめる点が魅力です。
一方、以下の点は弱点として挙げられます。
- ランスや前腕などに合わせ目がある。
- サブアーム裏側に肉抜きがある。
- 一部の細部色分けにシールや塗装が必要。
- 可動部が緩くなる可能性がある。
- トルーパー形態ではポーズによって自立が難しい場合がある。
- 近年のHGと比較すると、パーツ分割や関節保持力は控えめ。
発売から年月が経過していることを考えると、最新HGほどの細かなパーツ分割を期待するより、ガンダム・フレームを利用した大胆な可動・変形ギミックを楽しむキットと考えるのが適しています。
結論・総評
HGIBO 1/144 ガンダムキマリストルーパーは、2016年発売のキットながら、現在でも十分な魅力を持つHGキットです。
最大の魅力は、通常形態から四脚のトルーパー形態へ変形できること。そして、大型のデストロイヤー・ランスとサイドスカートから展開するサブアームによって、キマリストルーパーならではの豪快なポージングを楽しめることです。
素組みでもカラーリングや造形はまとまりがよく、ガンダム・フレームによる可動性能も良好です。
特に「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」のHGIBOシリーズで、変形ギミックを持つガンダム・フレーム機を探しているなら、注目しておきたいキットといえるでしょう。
一方、塗装完成品を目指す場合は、ランスや前腕の合わせ目、装甲裏の肉抜き、リアスカートやバーニアなどの部分塗装が主な課題になります。
近年のHGと比較すれば、細かな色分けや関節保持力などに古さを感じる部分もあります。しかし、それを補って余りある独自性を持っているのが本キットの魅力です。
総評としては、「キマリス系が好きな人はもちろん、変形ギミック、大型武装、ガンダム・フレームの可動性能を重視する人にもおすすめできるHGキット」です。
二脚のMS形態と四脚のトルーパー形態を1体で楽しめるため、単に飾るだけでなく、組み替えやポージングを楽しみたいモデラーにも向いています。
