
はじめに
『機動戦士ガンダムSEED VS ASTRAY』に登場する「ヴァンセイバーガンダム」は、セイバーガンダムをベースにライブラリアンが再設計した機体です。
2009年には、バンダイから1/100スケールのガンプラとして商品化されました。
1/100セイバーガンダムの金型をベースに新規パーツを追加したバリエーションキットですが、単純なカラー変更ではありません。白・青・黄色を中心とした特徴的なカラーリングに加え、セイバーでは背部に配置されていたウイングを肩部へ移設。さらにストライカーパックへの対応や追加武装など、ヴァンセイバー独自の要素が盛り込まれています。
今回は、1/100 ヴァンセイバーガンダムについて、機体設定やセイバーガンダムとの違い、付属武装、可動・変形ギミック、ランナー構成、合わせ目処理、塗装、改造ポイントまで詳しく紹介します。
主なおすすめポイント
1/100 ヴァンセイバーガンダムの主な特徴は以下のとおりです。
- 1/100セイバーガンダムをベースにした公式の発展型キット。
- 新規パーツによってセイバーガンダムとの外観の違いを再現。
- MS形態から飛行形態への変形を再現。
- 赤・白を主体としたセイバーから、白・青・黄色を中心としたカラーリングへ変更。
- セイバーでは背部に配置されていたウイングを肩部へ移設。
- 背部にストライカーパック接続用の穴を搭載。
- バックパックを外すことで、他のアストレイ系・ストライカーパック系装備との組み合わせを楽しめる。
- 1/100サイズなので、頭部・胸部・武装などの改造や塗装がしやすい。
- セイバーガンダムのパーツを多数流用しているため、構造や変形手順に共通点がある。
- カラーリングを活かして「白いセイバー」として楽しむこともできる。
商品概要・機体特徴
商品名:1/100 ヴァンセイバーガンダム
登場作品:機動戦士ガンダムSEED VS ASTRAY
機体名:ヴァンセイバーガンダム
スケール:1/100
ヴァンセイバーガンダムは、ライブラリアンがセイバーガンダムを再設計した機体です。
セカンドステージシリーズに属するセイバーガンダムを基礎としながら、機体カラーや外装、武装、運用方法などに変更が加えられています。
キット自体も、1/100セイバーガンダムの既存ランナーを流用し、新規パーツを追加した構成になっています。
そのため完全新規設計ではなく、セイバーガンダムをベースにした発展型・バリエーションキットという位置付けです。
発売情報・価格
発売日:2009年11月26日
メーカー:バンダイ
希望小売価格:3,080 円(税10%込)
現在では旧キットとなっているため、実売価格は販売時期や商品の状態によって大きく変動します。中古品や未組立品では、箱の状態、パーツの欠品、シールの状態なども価格に影響します。
商品仕様
スケールと構成
- 1/100スケール。
- 1/100セイバーガンダムの金型をベースに新規パーツを追加。
- MS形態と飛行形態に変形。
- 一部の変形ではパーツの取り外し・付け替えが必要。
- 背部にストライカーパック接続用の穴を搭載。
成型色
主な成型色は、白・青・黄色を中心とした構成です。
- ホワイト:頭部、胸部、腕部、脚部、肩部、外装
- ブルー:肩ウイングや一部外装
- イエロー:胸部V字、ウイングの一部、アンテナなど
- グレー:関節、内部メカ、武装
- ブラックまたは濃色:関節周辺、武装の一部
- クリアーピンク:ビームサーベル刃
一方、2009年発売の1/100キットということもあり、細部まで完全に成型色だけで再現されているわけではありません。
特に以下の部分は、シールによる補完や部分塗装を行うことで設定画に近づけられます。
- デュアルアイ
- 頭部センサーの赤
- マスク中央の白
- 胸部V字の黄色
- 肩ウイングの青・黄色
- 武装やバーニアの細部
素組みではシールを使用することで、細かな色分けを手軽に補完できます。
材質
2009年前後の1/100ガンプラとして、主に以下のような素材構成が考えられます。
- PS:外装、武装、一般的な可動パーツ
- ABS:変形機構や関節の一部
- PEまたはポリキャップ:関節接続部
- クリアーPS:ビームサーベル刃
- シール材:ホイルシール、マーキングシール
付属品
主な付属品は以下のとおりです。
- ヴァンセイバー本体
- 専用ビームライフル
- シールド
- ビームサーベル柄×2
- クリアーピンクのビームサーベル刃×2
- 115mm携行型レールガン
- デュエルガンダム用バズーカ
- バックパック
- ストライカーパック接続用機構・パーツ
- ホイルシール
- マーキングシール
- 組立説明書
専用ビームライフル、シールド、115mm携行型レールガン、デュエルガンダム用バズーカ、ビームサーベル2本など、複数の武装が用意されています。
115mm携行型レールガン
ヴァンセイバーを特徴付ける追加武装の一つです。
通常のセイバーガンダムにはない装備なので、セイバーとの違いを楽しむうえでも重要な武装となっています。
デュエルガンダム用バズーカ
デュエルガンダム系の武装を流用した装備です。
他機体の装備を組み合わせるヴァンセイバーの特徴ともマッチしており、通常のセイバーガンダムとは異なる武装構成を楽しめます。
可動ギミック
頭部
頭部には変形機構が組み込まれています。
- アンテナを変形時に折り畳み可能。
- デュアルアイ・センサー部はシールで色を補完。
- 首は上下・左右に可動。
- 変形時には頭部周辺を収納形態へ移行。
アンテナは細く、変形の際に負荷がかかりやすいため、MS形態と飛行形態を頻繁に切り替える場合は注意が必要です。
胸部・腰部
- 腰部が回転。
- 背部にストライカーパック用接続穴を搭載。
- 胴体周辺はセイバー系の変形構造を踏襲。
- 胸部V字はシールによる色分け。
背部の接続穴を利用することで、バックパックを外して別のストライカーパックを組み合わせるミキシングにも向いています。
腕部
腕部は1/100SEED系らしい可動構造となっています。
- ヒジは二重関節。
- ヒジは約150度程度まで可動。
- 腕は横方向へ約90度程度可動。
- 前腕装甲は変形時に展開。
- 肩周辺は変形機構の影響もあり、現代のMGやRGのような大きな引き出し機構はない。
可動範囲自体は旧1/100キットとしては十分ですが、最新キットと比較すると肩周辺の自由度には差があります。
また、飛行形態への変形では前腕装甲を展開するため、手首をいったん外す必要があります。完全な差し替えなし変形ではない点には注意しましょう。
肩部ウイング
ヴァンセイバー最大の特徴ともいえるのが、肩部へ移設されたウイングです。
- セイバーでは背部にあったウイングを肩へ移設。
- ウイング基部が可動。
- MS形態では肩から展開。
- 飛行形態では機体側面の主翼のようなシルエットを形成。
この変更によって、通常のセイバーガンダムとは大きく異なる上半身のシルエットになっています。
白・青・黄色のカラーリングと肩部ウイングの組み合わせによって、セイバーをベースとしながらも別機体として認識できるデザインに仕上げられています。
脚部
脚部には変形とポージングの両方を考慮した可動機構が採用されています。
- ヒザは約160度程度まで可動。
- 足首は比較的良好な接地性を確保。
- 股関節には飛行形態用のロックパーツを搭載。
- 脚部は横方向へ大きく開きにくい。
ヒザの可動範囲は広い一方、股関節の開脚性能は控えめです。
そのため、直立ポーズや武装を構えたポーズには対応できますが、大きく脚を開いた躍動感のあるポージングには限界があります。
背部・バックパック
背部にはヴァンセイバーの拡張性を高める構造が設けられています。
- バックパックを着脱可能。
- ストライカーパック接続用の穴を搭載。
- ウイングは肩部へ移設。
- バックパックを外した状態でも本体を楽しめる。
- 他のアストレイ系・ストライカー系装備との連動を楽しめる。
特に、他キットからストライカーパックを流用するミキシングとの相性がよく、改造ベースとしても面白いキットです。
飛行形態
ヴァンセイバーはセイバーガンダムをベースとしているため、MS形態から飛行形態への変形機構も受け継いでいます。
主な変形手順は以下のとおりです。
- 頭部アンテナを折り畳む。
- 腕部を変形位置へ移動。
- 前腕装甲を展開。
- ヒザ・脚部を折り畳む。
- 股関節のロックパーツで脚の位置を固定。
- 背部・肩部ウイングを展開。
- ライフルを収納形態へ変形。
- シールドを機体下面側へ配置。
- 各部を固定して飛行形態を完成させる。
基本的にはセイバー系の変形機構を発展させた構造ですが、武装の配置や前腕部の変形ではパーツの取り外し・付け替えが必要です。
そのため、「ほぼ完全変形」に近い一方で、現代の完全変形キットのような完全な一体変形とは異なります。
パッケージ・ランナー構成

ランナーの特徴
ヴァンセイバーのランナー構成で最も重要なのは、セイバーガンダムの流用ランナー+ヴァンセイバー用新規ランナーという点です。
新規パーツの中心となるのは、以下のような部分です。
- 頭部
- 胸部外装
- 肩部ウイング
- 新規外装
- 115mm携行型レールガン
- バックパック・接続関連パーツ
- ヴァンセイバー用追加装備
一方、以下の部分はセイバーガンダムからの流用が多くなっています。
- 関節
- 脚部内部構造
- 変形機構
- ビームライフルの基本構造
- シールドの基本構造
- ビームサーベル
- ポリキャップ
そのため、ヴァンセイバーは完全新規キットというよりも、既存キットの金型を活用して新しい機体へ仕上げたバリエーションキットといえるでしょう。
モデリング解説
素組み時の色分け
素組みでもヴァンセイバーの大まかなカラーリングは再現できます。
ただし、2009年発売の1/100キットということもあり、最新のHGCE・RG・MGシリーズのような細かな完全色分けには対応していません。
特に手を入れたい部分は以下のとおりです。
- 頭部ツインアイ
- 頭部センサー
- マスク中央
- 胸部V字
- 肩ウイングの青・黄色
- ライフルのセンサー
- レールガンの細部
- バズーカの砲口
- 各部バーニア
- 手首・関節のグレー
- シールド内部
- 飛行形態で見える裏面
シールを使用すれば手軽に設定に近づけられますが、立体感を重視するなら部分塗装がおすすめです。
合わせ目が出やすい箇所
旧1/100キットということもあり、いくつかの部分で合わせ目が目立ちます。
主な合わせ目候補は以下のとおりです。
- 頭部側面
- 前腕側面
- 腕部装甲
- 脚部側面
- かかと
- 肩アーマー上部
- 胸部側面
- 背部ビーム砲
- ビームライフル
- レールガン
- デュエル用バズーカ
特に腕部・脚部装甲やかかと、背部ビーム砲、ビームライフルなどは、完成後に合わせ目が確認しやすい部分です。
塗装方法
部分塗装向け
手軽に完成度を高めるなら、以下の部分から塗装すると効果的です。
- 頭部センサー
- 胸部V字
- ウイングの青・黄色
- バーニア内部
- 武器センサー
- 関節・手首
- シールド裏面
- レールガンの砲口
特に頭部や胸部、肩ウイングは目につきやすいため、部分塗装の効果が大きい部分です。
全塗装向け
ヴァンセイバーの白い外装は、単一の白だけで塗るよりも、複数の白や薄いグレーを使い分けることで情報量を増やせます。
- 主装甲:ホワイト
- 関節:ニュートラルグレー
- 胸部・脚部の一部:ライトグレー
- ウイング:ブルー
- V字・アンテナ:イエロー
- 武装:ダークグレー
- センサー:レッドまたはグリーン系
- バーニア:メタリック系または焼鉄色
白・青・黄色という明るいカラーリングなので、武装や関節を暗めの色で塗り分けると全体が引き締まります。
スミ入れ
白い外装が多いヴァンセイバーは、スミ入れとの相性も良好です。
- 白装甲:薄いグレー
- 青装甲:濃いブルーまたはブラック
- 黄色:ブラウン
- グレー武装:ブラック
- センサー周辺:濃いレッドまたはブラウン
特に白装甲へブラックをそのまま使用すると線が強くなりやすいため、薄いグレーを使用すると自然に仕上げやすくなります。
改造・加工例
基本工作
- アンテナを薄く削る。
- 頭部バルカンやセンサーを開口。
- 胸部V字を別パーツ化。
- 肩ウイングの端をシャープ化。
- スラスター内部にプラ板を追加。
- モールドを彫り直す。
- 装甲裏をグレーで塗装。
- 1/100用の水転写デカールを追加。
- 手首を市販の1/100ハンドパーツに交換。
- 関節軸を調整して保持力を改善。
装備拡張
ヴァンセイバーは背部のストライカーパック接続機構を活用することで、ミキシングの幅を広げられます。
- バスター系ストライカーパックを装着。
- ドラグーン系装備を飛行形態に追加。
- デュエル系バズーカを大型化。
- レールガンを延長。
- シールドにブレードやセンサーを追加。
- ストライカーパック接続穴を3mm規格に調整。
- 他の1/100 SEED系キットから武装を流用。
バスター系ストライカーパックはMS形態での組み合わせ候補となる一方、バズーカは装着できても接続部分に隙間が生じる場合があります。
また、ドラグーン系装備は飛行形態に組み合わせた方が扱いやすいとされています。
モデルとしての評価
長所
ヴァンセイバーの大きな魅力は、現在では貴重な『SEED VS ASTRAY』系1/100キットであることです。
- ヴァンセイバーを公式に1/100で立体化している。
- セイバーガンダムとは異なるカラーリングを楽しめる。
- 肩部ウイングによる独自のシルエットがある。
- 飛行形態への変形を楽しめる。
- ストライカーパックとの組み合わせが可能。
- 専用レールガンとデュエル用バズーカが付属。
- 1/100SEED系キットとのミキシングに向いている。
- 白いセイバーとして楽しむこともできる。
- 『SEED VS ASTRAY』系1/100キットとしてコレクション性がある。
特に、セイバーガンダムを知っている人ほど、各部の変更点を比較しながら楽しめるキットです。
短所
一方で、発売から時間が経過しているため、現在のガンプラと比較すると気になる部分もあります。
- セイバーガンダムからの流用部分が多く、完全新規設計ではない。
- 最新のMG・RGと比べると内部フレームは簡素。
- 肩部ウイングの可動・保持には限界がある。
- 股関節の開脚範囲が狭い。
- 合わせ目が複数箇所に出る。
- 細部の色分けはシールへの依存がある。
- 変形時に手首や武装の付け替えが必要。
- 飛行形態やリフター形態の説明がやや分かりにくい。
- 古いキットなので、再販品・中古品ともに入手性が安定しない。
最新のMGやRGと同じ感覚で組むのではなく、「2009年当時の1/100SEED系キット」として楽しむのがよいでしょう。
人気・現在の評価
ヴァンセイバーは、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』本編の主要機体と比べると知名度は限定的ですが、『SEED VS ASTRAY』やライブラリアン系の機体を好むモデラーにとって注目度の高いキットです。
特に以下の点が魅力となっています。
- 『SEED VS ASTRAY』の機体を公式キットで再現できる。
- セイバーガンダムの1/100系統を補完する商品である。
- 元機体であるセイバーとの違いが分かりやすい。
- ストライカーパックとの連動によって遊びの幅が広い。
- 1/100スケールの大型可変MSとして見栄えがよい。
- 既存金型と追加ランナーを組み合わせたバリエーション展開として興味深い。
また、現在では新品未開封品や状態のよい商品が高値になる場合があります。
購入する場合は、価格だけでなく、未組立か完成品か、パーツや説明書が揃っているか、シールの状態なども確認するとよいでしょう。
結論・総評
1/100 ヴァンセイバーガンダムは、1/100セイバーガンダムをベースに、新規パーツと新規カラーを加えた公式バリエーションキットです。
単なるカラー変更ではなく、肩部へ移設されたウイング、頭部・胸部などの新規外装、追加武装、ストライカーパック対応などによって、ヴァンセイバー独自の機体性をしっかり再現しています。
特に注目したいポイントは以下の3点です。
- 1/100サイズでヴァンセイバーを商品化していること。
- 飛行形態への変形と、肩部ウイングによる独自のシルエット。
- 115mm携行型レールガン、デュエル用バズーカ、ストライカーパック対応による高い拡張性。
一方、2009年発売の旧1/100キットなので、現代のMGやRGと比較すると、完全な色分けや合わせ目対策、広い股関節可動、精密な内部フレームなどの面では物足りなさがあります。
それでも、ヴァンセイバーそのものを1/100サイズで立体化した貴重な商品であり、セイバーガンダムとの違いを楽しめるだけでなく、ストライカーパックを利用したミキシングや改造にも向いています。
素組みならシールとスミ入れを加えるだけでも十分に見栄えを高められますし、全塗装や可動改修、武装追加まで手を加えれば、現在でも非常に個性的な完成品に仕上げられるでしょう。
『SEED VS ASTRAY』の機体を集めている人はもちろん、1/100 SEED系キットをベースに改造を楽しみたいモデラーにとっても、独特の魅力を持ったキットです。

